2019/03/14 / その他
化学の勉強法について
化学はとにかく生物と同じく覚えなければならないことが多い科目です。よく言われるのは「理解して覚えなさい」ということです。意味も理解せずにただ用語や公式, 反応式を覚えても, 全く意味がありません。例えば無機化学や有機化学では非常にたくさんの化学反応式が登場しますが, これをただ化学式の羅列だと考えてただ暗記しようとしても, ほとんど頭には入ってきません。高校化学で登場する化学反応式のほとんどは, 理屈で説明がつきます。中和, 弱酸・弱塩基の遊離, 酸化還元, 脱水, 加水分解など, 一つ一つの反応にはきちんと意味があります。どういう反応なのかを理解した上で覚えれば, 生成する物質が何か忘れても, 自分で導くことも可能になります。化学反応が反応がどういう仕組みで起こっているのか, 理解した上で覚えるようにしましょう。ただし, ここで一つ注意があります。「マニアックになり過ぎない」ということです。化学反応の中には, 高校化学の知識では説明できないものも登場します。例えば, フェノールと臭素の反応では, 2, 4, 6‐トリブロモフェノールが生成しますが, なぜ1, 3(メタ位)で置換が起こららないのかを理解するには, 大学レベルの知識が必要になります。この反応では「ハロゲン化という置換反応のが起こっている」というレベルの理解をしておけば十分です。このあたりの説明をかなり詳細にしている参考書もありますが, 大学受験には必要のない知識ですから, 理解する必要は全くありません。大学受験には教科書に書いてあることしか出題されないのですから, 無理に大学レベルの化学を理解して, 本質的なことをすべて分かろうとしなくてもよいのです。そういった点でも, 最も良質の参考書は, 教科書といえるでしょう。なにせ, 大学受験に出る知識がすべて詰まっているのですから。参考書選びに困っている皆さん, まずは教科書をしっかり読みましょう。その上で, セミナーやリードαなどの基本問題を演習し, 徹底的に基礎を固めてください。余力のある人は, 重要問題集のA問題(B問題は夏以降でも大丈夫)にも手をつけるとよいでしょう。
理論分野については, やはり計算問題が大きな壁になると思います。公式は知っているのに, いつそれが使えるのかが分からない, 使いどころがよく分からないという生徒さんが多いように思われます。それは, 公式の意味を理解せずにただ暗記しているからだと思います。例えば, 中和滴定のときによく使う公式に というものがありますが, 中和の計算問題が苦手な人は, 「なぜこの式が成り立つのか」を理解していないことが多いのです。この式は「酸からの水素イオンのmol=塩基からの水酸化物イオンのmol」という意味ですよね。このように, 公式は必ず「日本語に翻訳する」ようにすれば, 逆滴定のような設定が複雑な問題にも対処できるようになります。これは物理にも言えることです。